シーリングスピーカーカリキュレーターガイド
このスピーカーカリキュレーターのヘルプページには、ユーザー指定データのフィールド、計算結果およびカバレージマップの詳細な説明が掲載されています。部屋やリスニングエリアに必要なスピーカーの数量と計算するために必要な情報を理解し、スピーカーカリキュレーターの計算結果をオーディオシステムの設計に反映するために役立ちます。
データ入力に関する注意
このスピーカーカリキュレーターは操作が容易です。Tabキーを押して、入力欄を移動してパラメーターを入力することができます。Shift+Tabキーを使用して、前の入力欄に戻ることも可能です。入力が完了したら"計算する"ボタンを押して、推奨するスピーカー数や必要なパワーアンプ出力を表示することが可能です。任意のパラメーターを変更して、"計算する"ボタンを押して再計算することが可能です。
ユーザーデータ欄
距離単位 – 距離単位 – ユーザー入力値および計算結果に使用する距離の単位として、メートルまたはフィートを選択できます。
リスニングポジション(高さ) – これは一般的なリスナーの耳の高さです。リスナーが通常起立しているか、それとも着席しているかを検討してください。デフォルト値は、着席しているユーザーの一般的な値である1.22 mです。起立しているユーザーの場合の一般的な値は1.68 mです。入力可能な最大値は、スピーカーの高さ-0.3 mまでです。
リスニングエリアの奥行き – カバレージエリアのおおよその奥行です。カバレージエリアは、1つの部屋またはその部屋の中のリスナーがいる場所になります。
リスニングエリアの幅 – カバレージエリアのおおよその幅です。
スピーカーの高さ – スピーカーが設置されるおおよその高さです。多くの場合、天井の高さになります。この値は2.13 m以上である必要があります。
スピーカー – プロジェクトで使用するスピーカーのモデルを指定してください。このスピーカーカリキュレーターには、エクストロンのシーリングスピーカーの現行モデルがすべて含まれています。
オーディオコンテンツの選択 – ページング、スピーチ、音楽、アナウンス、プログラムオーディオなど、部屋で提供される一般的なコンテンツを選択してください。これらの種類のコンテンツには、それぞれおおよその最大周波数があります。コンテンツの周波数が高くなるにつれて、スピーカーのカバレージ角は減少します。これにより、希望する室内のカバレージを実現するために必要なスピーカーの数量が増加します。そのため、システムで使用されるコンテンツの種類を慎重に検討することが重要です。
| コンテンツ | 最大周波数(目安) | 選択基準 |
|---|---|---|
| スピーチ - デフォルト | 7 kHz | フルレンジボイスの再生 |
| ページング | 3 kHz | 基本的な明瞭性のみが求められます。通常、ページングがカバレージに必要とするスピーカーの数は最少です。 |
| プログラム | 10 kHz | ビデオ音声が主要なオーディオソースです。 |
| 音楽 | 12 kHz | 音楽の再生にはフルレンジオーディオが必要です。通常、音楽はカバレージに最も多くのスピーカーを必要とします。 |
カバレージ端音圧レベル許容減衰量 – ここでは、通常座席間音圧レベル差と呼ばれる、許容可能な室内の音圧レベル差を指定します。選択された値は、カリキュレーターが使用するカバレージ角の選択方法を決定します。等圧線という言葉は、音圧の測定値を表します。それぞれの等圧線は、カバレージ端における異なる許容減衰量を示しています。等圧線に示されたdB値が高いほど、許容減衰量は大きくなります。そのため、カバレージエリア(そしてそれに伴いカバレージ角)が大きくなります。等圧線に示されたdB値が高いほど、許容音圧レベル差が大きくなり、必要なスピーカー数も少なくなります。
選択可能なそれぞれの等圧線で示される、おおよその座席間およびカバレージ端における音圧レベル差は以下のとおりです。
| 6 dB等圧線(座席間: -2 dB、カバレージ端: 2-6 dB) |
| 9 dB等圧線(座席間: 0-5 dB、カバレージ端: 5-10 dB) |
| 12 dB等圧線(座席間: 0-8 dB、カバレージ端: 8-14 dB) |
カバレージパターン – スピーカーの配置により決定されるカバレージパターンです。正方形カバレージパターンは、横方向および縦方向に等間隔にスピーカーを整列させた配置を用います。六角形カバレージパターンは、一列おきにスピーカーをずらした配置を用いています。六角形パターンと比較して、正方形パターンは、部屋全体にわたりより均一なカバレージを実現可能ですが、より多くのスピーカーを必要とします。六角形パターンは、横方向または縦方向スピーカーを千鳥配列します。これにより必要なスピーカーの数は一般的には減少します。この種類の配列は、部屋の端のカバレージが部屋の中央程は重要でない用途に使用されます。
伝送方式 – スピーカーとパワーアンプの接続に使用する配線の種類をしていします。スピーカーを正しくセットアップして、適切なパワーアンプの出力に接続しなければなりません。ローインピーダンスの配線は、通常それぞれのスピーカーをパワーアンプと直接接続しなければなりません。一方、70/100 Vのハイインピーダンス接続は、パワーアンプに複数のスピーカーを並列に接続することが可能です。70/100 V配線は配線を伸ばしてスピーカーを何台も並列に接続することが可能ですが、ローインビーダンスシステムは低周波特性が優れています。
用途
このセクションには、一般的な用途向けのデフォルト設定に加えて、カスタム設定も用意されています。カスタム設定では、高度なユーザーや、設計者・エンジニアがスピーカー計算をより詳細に調整したい場合に、各値を個別に設定できます。
ターゲットSPL – 最適な明瞭性を実現し、想定される最大音圧レベルに対応できるよう、ターゲットとなる音圧レベルを指定してシステムの十分なヘッドルームを確保することができます。
環境ノイズ – この値は環境におけるバックグラウンドノイズのレベルを表します。デフォルト値は55 dB SPLです。また指定可能な最大値は90 dB SPLです。代表的な環境と一般的な環境ノイズレベルは以下の通りです。
代表的なバックグラウンド環境ノイズレベルと、一般的なオーディオソースの音圧レベルは、以下の表に示されています。
| 環境 | 一般的な環境ノイズレベル (dB SPL) |
|---|---|
| ビデオ会議室 | 35 |
| 静かな図書館/居室 | 40 |
| 静かなオフィス/無人の教室 | 50 |
| 混雑したレストラン | 60 |
| 騒がしいオフィス | 70 |
| 混雑したカフェテリア | 80 |
| 航空機の客室 | 90 |
| オーディオソース | 一般的な音圧レベル(dB) |
|---|---|
| ささやき声 | 20 |
| 居室内の静かなステレオ | 40 |
| とても静かな音楽 | 50 |
| 会話 | 60 |
| 静かなクラッシック音楽 | 65 |
| 掃除機 | 70 |
| 静かなポピュラー音楽 | 75 |
| 目覚まし時計 | 80 |
| 適度ににぎやかなクラッシック音楽 | 85 |
| 市街地の雑踏 | 90 |
| にぎやかなクラッシック音楽 | 95 |
| 花火、地下鉄 | 100 |
S/N比 – 特定の環境ノイズに対して、必要とするオーディオシステムの音圧レベル(SPL)です。このS/N比はオーディオシステムの明瞭性を表します。デフォルト値は25 dBです。環境ノイズに対して追加マージンを取り明瞭性を向上したい場合は、より大きな値を指定することが可能です。
計算する – 「計算する」ボタンをクリックすると、スピーカーカリキュレーターの計算結果が右側に表示されます。「カバレージマップを表示/印刷」ボタンをクリックすると新しいウィンドウが開いて、スピーカーカバレージマップに加え、入力パラメーターおよび詳細な計算結果のサマリーが表示されます。
リセット – ユーザーが入力したパラメーターをクリアして、その他のすべての入力値をデフォルト値に戻します。
成果
推奨するスピーカー数 – ユーザーが指定した要件に基づいたオーディオカバレージを提供するために必要なスピーカー数です。
スピーカー1台あたりのカバレージ面積 – 指定したオーディオコンテンツの周波数範囲および許容可能な最大限減衰量に基づいた、スピーカー1台あたりのカバレージ面積。
推奨パワータップ設定 - 指定された要件を満たすために、スピーカーで選択すべきパワータップの設定
必要なパワーアンプ出力(APR)は25%のヘッドルームを含む - 推奨タップ設定に推奨スピーカー台数を掛け、さらに25%のヘッドルームを加えた値です。
カバレージマップ
カバレージマップは推奨するスピーカーレイアウトを視覚的に表示します。このレイアウトはあくまでも参考であり、実際の設置にあたっては、全ての設置上の障害を考慮して、必要に応じ修正を行う必要があります。列は同一Y座標上のスピーカーのグループを表します。一方、縦方向の列は同一X座標上のスピーカーのグループを表します。
カリキュレーターで使用されている基本公式
- RC = (HC - HL) tan (A)
- DC = (HC - HL) / cos (A)
- ΔLA = 20 log [DR / (HC - HL)]
- ΔLE = 20 log (DR / DC)
- LMINREF = LMIN - ΔLE + Isobar
- LMAXREF = LMAX - ΔLA
各記号の意味は以下のとおりです。
- RC = カバレージ角およびリスニング面における半径
- HC = 天井の高さ
- HL = リスニングポジション
- A = 等圧線におけるカバレーレジ角
- DC = カバレージ角およびリスニングプレーンにおけるスピーカーからの距離
- ΔLA = リスナーの軸上距離損失 (逆二���の法則)
- DR = 1 mの基準距離
- ΔLE = リスナーの等圧線上距離損失
- LMINREF = 基準距離における軸上最小ターゲットレベル
- LMIN = 等圧線におけるリスナーの必要最低レベル
- Isobar = 特定の音圧レベル減衰の境界
- LMAXREF = 基準距離における軸上最大ターゲットレベル
- LMAX = 軸上の最大ターゲットレベル

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