Quantum Ultra II
オーディオ対応次世代8Kビデオウォールプロセッサー
ビデオウォールプロセッシングの跳躍 - オーディオスイッチングと拡張された4K/60スループットで実現
Quantum® Ultra IIは、将来の高解像度に対応可能な高度なコネクティビティーとスループット能力を備えたエクストロンの次世代のビデオウォールプロセッサーです。HyperLane®ビデオバスは比類ないリアルタイム処理性能により、最大500 Gbpsのスループットを実現しました。4K入出力カードはFOX3コネクターと18 Gbps HDMIコネクターを装備、最大4K/60 4:4:4解像度に対応するとともにHDCP 2.3にも準拠しています。8K/60ソースには、クアッドパス信号として対応することが可能です。エンベディッドオーディオ入力は複数のキャンバスにルーティングが可能です。解像度や設置方向が異なるスクリーンで構成された複数のビデオウォールに対応することが可能です。縦長(ポートレート)および横長(ランドスケープ)方向の出力対応、オーバーラップ出力、カスタム解像度などの機能により、さまざまなカテゴリーのディスプレイに対応します。RS-232、USBおよびイーサネットインターフェイスを装備、コントロールシステムと直接接続が可能です。
Quantum Ultra IIは、カードフレーム、入力カードおよび出力カードで構成されたモジュール式アーキテクチャーを採用、あらゆるシステムのニーズに対応します。Quantum Ultra II 610は、10スロットを装備した6U高のカードフレームで、36x4から4x36までの入出力構成に対応するように入出力カードを組み合わせて搭載可能です。Quantum Ultra II 305は、5スロットを装備した3U高のカードフレームで、中小規模のビデオウォールに対応します。Quantum IN4HDMI 4K PLUSカードは最大8K/60解像度のHDMI信号に対応しています。4系統の4K/60解像度HDMIシングルパス信号または1系統の8K/60クアッドパス信号に対応します。Quantum IN4HDMIは1系統の4K/60解像度のHDMI信号、2系統の4K/30解像度のHDMI信号または4系統の2K解像度のソース信号を入力可能です。Quantum IN SMD 100は、1080p/60、1080p/30または標準解像度のストリームを、それぞれ4チャンネル、8チャンネルまたは16チャンネル同時にデコードすることが可能、MPEG-2、Motion JPEGおよびH.264ストリームに対応しています。OUT4HDMI 4K PLUS出力カードは、4系統の最大4K/60解像度までのHDMI信号を出力可能です。OUT4HDMIおよびOUT4DTP出力カードは、1~4系統の1024x768から4K/60解像度までの信号を出力可能です。OUT4DTPは、DTP、XTPおよびHDBaseT対応ツイストペア出力モードを選択可能、最長100 mまでの信号伝送距離延長が可能です。
Quantum IN4FOX3シリーズFOX3光ファイバー4チャンネル入力カードは、4系統の最大4K/60解像度の信号をFOX3トランスミッターまたはFOX3マトリックスイッチャーから入力可能です。Quantum OUT4FOX3シリーズFOX3光ファイバー4チャンネル出力カードは、4系統の最大4K/60解像度の信号を4K/60対応FOX3レシーバーまたはFOX3マトリックススイッチャーに出力可能です。それぞれ4種類のモデルをラインアップ、マルチモードまたはシングルモード光ファイバーケーブルでロスレスまたは非圧縮信号の伝送が可能です。どちらのシリーズのカードも、任意の入力からエンベディッドオーディオを複数のアクティブなキャンバスにルーティングすることが可能です。
HyperLaneビデオバス
Quantum Ultra IIはエクストロン独自のHyperLaneテクノロジーを採用した、将来のニーズにも対応可能な高速ビデオバスを搭載、他のビデオウォールプロセッサーでは実現が不可能なリアルタイム処理性能を発揮します。
他に類を見ないHyperLaneビデオバスは最大スループット500 Gbpsを実現、全HDMIおよびFOX入出力で4K/60、4:4:4カラーサンプリングの高解像度ビデオに対応しています。最大20系統の4K/60 4:4:4ソース信号の同時伝送にも対応可能です。また、8Kなどの高解像度信号や、それに伴いもたらされるハイダイナミックレンジ - HDR、現在開発段階にある信号のより拡大されたカラー深度と色域に対応するために十分な帯域性能を備えています。
HyperLaneバスは、入出力カード間の高速ビデオデータ伝送というただ1つの目的のために開発されました。この専用バスにより、システムの他の要素に左右されず、常に安定したパフォーマンスを発揮します。そのため、表示されるソースレイアウトによるフレームレートの変動も発生せず、スムーズな表示を実現します。
HyperLaneビデオバス

連続稼働
ホットスワップ可能な、デュアルリダンダントEverlast電源
Quantum Ultra IIは連続稼働が求められるシステムのために設計されました。Quantum Ultra II 610カードフレームは、ホットスワップ可能なEverlast™リダンダント電源を標準装備、安定した連続稼働を実現するためエクストロンにより開発および設計されました。Quantum Ultra II 305カードフレームはEverlast内蔵型電源1台を装備しています。
ビデオを再生AC電源入力2系統装備
連続稼働が必要な環境では電源の信頼性を向上するために、主電源とリダンダント電源2系統の電源が必要な場合があります。Quantum Ultra II 610は、AC電源入力2系統を装備、独立した電源系統に接続することで信頼性を向上します。
OS用SSD
SSDを採用、Quantum Ultraのオペレーティングシステムにセキュリティー性と信頼性を提供します。SSDは、ベアリングやモーター、読み取り/書き込みヘッドの故障等のハードドライブに見られる故障モードとは無縁です。SSDは、ベアリングやモーター、読み取り/書き込みヘッドの故障等のハードドライブに見られる故障モードとは無縁です。さらに、SSDにはシステムの高速な起動という利点があります。システムを立ち上げて、設定したすべての出力からビデオを出力するために必要な時間は90秒未満です。
Eメールによる障害通知
電源またはファン等の重要なコンポーネントに障害が起きた場合や、推奨動作温度を超えた場合にシステム管理者に通知することが可能です。

Quantum Ultra II 610はホットスワップ可能なデュアルリダンダントエクストロンEverlast電源を装備
セキュリティー

Quantum Ultra IIのOSは書き込みが禁止されており、パスワード認証なしにファイルシステムへの変更はできません。
SSL通信プロトコルにより、VCSビデオウォール設定用ソフトウェアおよびQuantum Ultra II間のシステムセットアップおよびファームウェアアップデートのための接続を暗号化します。SSH (Secure Shell)を使用したセキュアなコントロールシステムとQuantum Ultra IIの間の通信により、リモートSISコマンドのための安全な接続を実現します。
Quantum Ultra IIのUSB、RS-232およびイーサネットポートは個別に有効化および無効化してシステムへのアクセスを制限することが可能です。IPおよびUDPポートも個別に有効化または無効化することが可能です。telnetやSSH、HTTP等のプロトコルへのアクセスをロックアウトすることが可能です。
システムイベントログにはQuantum Ultra IIのソフトウェア、ハードウェアおよび接続に関するイベントが記録されます。ローカルファイルとして保存され、ユーザーによるサイズの上限の設定およびプロセッサーからのダウンロードが可能です。
オペレーティングシステムおよびデータ格納用ドライブはQuantum Ultra II 610カードフレームから容易に取り外しが可能、特別なストレージ管理または分類管理を必要とするセキュリティー管理ポリシーに対応することが可能です。
ファームウェアアップデートはエクストロンによりデジタル署名されており、ファイルが改ざんされていないことを確認することが可能です。すべてのファームウェアアップデートには管理者権限でのログインが必要で、転送には暗号化された接続を使用します。
Quantum Ultra IIのオペレーティングシステムへのアクセスは、ユーザーによる設定が可能なパスワードで保護されています。ユーザーの組織のセキュリティーポリシーやスケジューリングポリシーに対応することが可能です。
出力機能
出力回転機能
Quantum Ultra IIの出力信号は、時計回りまたは反時計回りに90度刻みに回転させることが可能、縦置き(ポートレイト)および横置き(ランドスケープ)のスクリーン設置方向に対応することが可能です。



出力オーバーラップ
出力オーバーラップにより、エッジブレンディング表示を行うプロジェクションシステムに対応します。水平方向および垂直方向のオーバーラップ出力が同時に可能です。また、出力オーバーラップは大型の直視型LEDシステムや他の特殊ディスプレイでの運用を容易にします。



同時に複数の出力解像度に対応
1台のQuantum Ultra IIプロセッサーから、1080pや4K等の異なるタイプのディスプレイに対して、それぞれの自然解像度で同時に出力が可能です。

ベゼル補正
それぞれの分割画面をベゼル幅分を加えた大きさに拡大してディスプレイに表示し、1つのソースをマルチディスプレイで正確に表示可能です。
プロジェクターまたはプロジェクションキューブを並べて使用した場合は、表示イメージ間のギャップはほとんどありません。しかし、フラットパネルディスプレイは一般的にアクティブな表示領域の周りに幅の広いベゼルがあります。アクティブな表示領域はベゼルの内縁までです。そのため、フラットパネルディスプレイを組み合わせたタイルドディスプレイの場合、それぞれのパネルのスクリーン間のギャップが目立ちます。

カスタム出力解像度
Quantum Ultra IIはカスタム出力解像度に対応、将来のディスプレイ技術、カスタムディスプレイ、LEDシステムに対応可能です。ディスプレイ内部でのスケーリングを不要にし、表示コンテンツの画質を向上します。

複数のビデオウォール制御
1台のQuantum Ultra IIプロセッサーにより、複数のビデオウォールに同時に出力が可能です。また、大規模システムではカードフレームの追加が可能です。設置方向、オーバーラップ、ベゼル補正および解像度が異なるスクリーンで構成された、最大10台のビデオウォールを個別に制御可能です。

出力伝送距離延長
ディスプレイをビデオウォールプロセッサーから数十メートル以上離れた場所に設置する用途では、Quantum OUT4FOX3とQuantumとOUT4DTPカードを使用して、一般的なHDMIケーブルでは実現できない伝送距離を可能にします。いずれのQuantum OUT4FOX3シリーズFOX3光ファイバー4チャンネル出力カードも、4系統の最大4K/60解像度の信号を4K/60対応FOX3レシーバーまたはFOX3マトリックススイッチャーに出力可能です。4種類のモデルをラインアップ、マルチモードまたはシングルモード光ファイバーケーブルでロスレスまたは非圧縮信号を最長20 kmまで伝送可能です。Quantum IN4FOX3光ファイバー入力カードもラインアップしています。Quantum OUT4DTP出力カードは、DTP、XTPおよびHDBaseTツイストペア出力モードを選択可能、最長100 mまでの信号伝送距離延長が可能です。

入力機能
1系統の接続で4K/60に対応
Quantum Ultra IIは4K/60ビデオに1系統のHDMI接続で対応可能、4Kソース、周辺機器、ディスプレイに柔軟に対応します。8K/60ソースには、クアッドパス信号として対応することが可能です。

ビデオストリームのデコード
Quantum IN SMD 100入力カードは、IPカメラ、エクストロンのストリーミングメディアエンコーダーおよび他のH.264エンコーダーからの、1080p/60、1080p/30または標準解像度のストリームを、それぞれ4チャンネル、8チャンネルまたは16チャンネル同時にデコードすることが可能です。ONVIFのプロファイルSのビデオセクションに適合し、MPEG-2、Motion JPEGおよびH.264ストリームに対応しています。

VNC対応
Quantum Ultra IIは、ストリーム配信アプリケーション - VNC (Virtual Network Computing)サーバーが稼動しているPCからストリーミングコンテンツを受信、表示することが可能です。複数のVNCストリームコンテンツを同時にビデオウォールに表示して、ローカルおよびリモートPCのコンテンツを共有することが可能です。

ウィンドウのボーダーおよびテキス���
カスタムカラーのボーダーを自由にウィンドウに使用可能、ラウンドコーナー、ドロップシャドウ、点滅および透明化にも対応しています。ボーダータイトルおよびオーバーレイテキストをウィンドウに適用することが可能です。また、コントロールシステムから動的にアップデートして、新しいソースの名称、種類、ステータスまたは機密レベルを表示可能です。


システムクロック
内部で生成した時刻情報を、様々なフォーマットおよび複数のタイムゾーンで表示可能です。置時計を設置するための費用やスペースは不要です。サイズおよびカラーの柔軟な設定により、クロックデータをわかりやすく効果的に表示することが可能です。また時刻を、NTP (ネットワークタイムプロトコル)で同期することが可能です。

ビデオウォールプロセッサーにイメージを保存
JPEG、PNGおよびビットマップを含むイメージファイルをQuantum Ultra IIにアップロードして、バックグラウンドまたはソースウィンドウとして表示可能です。アルファチャンネル、レベルおよびカラーキーによる画像の透明化に対応しています。

入力の拡張
ディスプレイがビデオウォールプロセッサーから数十メートル以上離れた場所に設置されている場合やFOX3マトリックススイッチャーでソースのルーティングが行われている場合は、Quantum IN4FOX3光ファイバー入力カードを使用することができます。4系統の最大4K/60解像度の信号をFOX3トランスミッターまたはFOX3マトリックスイッチャーから入力可能です。カードは4種類のモデルをラインアップ、マルチモードまたはシングルモード光ファイバーケーブルでロスレスまたは非圧縮信号を最長20 kmまで伝送可能です。Quantum OUT4FOX3光ファイバー出力カードもご用意しています。

プロセッシング機能
比類のないスケーリング画質
プロセッサーによっては、ダウンスケールの際にピクセルを廃棄することがあります。これは情報の喪失につながり、元のソースを正確に再現することができません。これは、情報の喪失が重要な意思決定に悪影響を及ぼす可能性がある、基幹系システムに特に弊害をもたらします。Quantum Ultra IIはVector 4Kスケーリングエンジンを採用、コンテンツのダウンおよびアップスケールの際にピクセル単位のディテールを保ち、鮮明で正確な出力が可能です。元の解像度の数分の1の解像度でソースを出力する場合も、重要なディテールを保ちます。

4:4:4シグナルプロセッシング
Quantum Ultra IIはRGBカラースペースにおいて常に4:4:4カラーサンプリングを行っています。これは、単一のピクセルや、色の付いたライン、コンピューターテキスト等の画像のディテールを処理するために重要です。


ダイレクトにフル制御が可能
設定ファイルはプロセッサーに保存されるため、RS-232、USB、イーサネットによりQuantum Ultra IIをコントロールシステムとダイレクトに接続可能です。フル機能のコントロールプロトコルにより、プリセットおよびウィンドウソースの選択ならびにサイズ、位置、表示/非表示、ボーダーおよびタイトル等のウィンドウの表示方法へのアクセスを可能にします。

ウィンドウレイアウト
Quantum Ultra IIは様々なウィンドウ構成が可能です。出力カード1枚につき、最大64のビデオイメージまたはクロックウィンドウを表示することができます。出力カード1枚につき、最大64のビデオイメージまたはクロックウィンドウを表示することができます。

オーディオ対応
Quantum Ultra IIはIN4HDMI 4K PLUSとOUT4HDMI 4K PLUSカードではHDMIオーディオのルーティングが可能です。IN4HDMI 4K PLUS入力カードに入力されたHDMIエンベディッドオーディオをディエンベッドして、HDMI信号にエンベッドしてOUT4HDMI 4K PLUS出力カードから出力可能です。LPCMステレオとLPCM、Dolby®およびDTS® マルチチャンネルサラウンドサウンドフォーマットに対応しています。オーディオソースは任意の入力から、独立して各キャンバスにルーティング可能です。
拡張カード
Quantum Expansion INカードとQuantum Expansion OUTカードにより、複数のQuantum Ultraビデオウォールプロセッサーを連結可能、大規模なビデオウォールの設計、構築、運用が容易に可能です。高速HyperLaneバスをプロセッサー間に拡張し、バスの共有と各入力ソースを全てのビデオ出力から出力することが可能になります。設定完了後プロセッサーは1台のシステムのように動作します。フロントエンドにスイッチャーや分配器は不要です。
システムサイズ | 最大入出力数 |
---|---|
1プロセッサー | 40 |
2プロセッサー | 72 |
3プロセッサー | 104 |
4プロセッサー | 136 |
5プロセッサー | 168 |

ソフトウェア

Quantum Ultra IIの設定と制御
Quantum Ultra IIの柔軟な設定と制御が可能な、2種類の使いやすいソフトウェアをご用意しています。VCS (VCSビデオウォール設定用ソフトウェア)は短時間で容易にシステムのセットアップと操作を可能にします。EMS Express Mobile - Quantum Ultraソフトウェアにより、複数のワイヤレスプラットフォームからビデオウォールシステムの操作が可能です。
VCSは、直観的なインターフェイスとタスクオリエンテッドなワークフロー、強力な設定機能を備えています。また、使い勝手を損なうことなく短時間でQuantum Ultra IIを立ち上げるために必要な能力と柔軟性を備えています。
ウィンドウプリセットの作成は、仮想的に表示されたビデオウォールにソースをドラッグ&ドロップするだけで可能です。使いやすい編集機能により、ソースウィンドウのレイヤー化、整列、サイズ変更を効率的に行うことが可能です。オンラインおよびオフラインで設定、編集が可能なため、プロセッサー接続の有無に関わらず、システム構成と設定が可能です。ライブおよびプレビューモードにより、ビデオウォールへの変更は即座または確認後に反映可能です。
1、2台のディスプレイ上の少数のウィンドウを管理する場合も、多数のディスプレイ上の数百ものウィンドウを管理する場合も、VCSにより効率的にQuantum Ultraの設定と制御が可能です。

便利なマルチプラットフォーム制御
Quantum Ultra II用EMSにより、ワイヤレス環境から簡単操作のアプリケーションを自由にアクセス可能です。Apple® iOS®、Google® Android™、Microsoft® Surface プラットフォームに対応しています。
プリセットの選択、ウィンドウ管理、ソース選択などの一般的な操作が、おなじみの指先のアクションで容易に可能です。このアプリケーションにより集中制御を行うことも、VCS - ビデオウォール設定ソフトウェアや IP Link® Proコントロールプロセッサー、TouchLink® Proタッチパネルなどのエクストロンのコントロールシステムとの同時使用も可能です。最大10台のモバイルデバイスからQuantum Ultra IIシステムを制御可能です。ユーザー、デザイナー、管理者の3種類のアクセス権限により、運用上の役割を区分します。